たいへん便利なインターネット銀行ですが、匿名性の高いインターネットというツールを利用して金銭のやり取りをするのですからリスクがはらんでいるのも事実です。以前起こったインターネット銀行を利用した犯罪事例をご紹介しましょう。
2002年、犯人はとある銀行のインターネットサービスを利用して、他人の銀行口座から370万円もの大金を知人の口座に不正送金していた事件が起こったのです。インターネットバンクが発展途上であった当時、この事件は「日本で初めてのインターネットバンクを悪用した不正送金」ということでたいへん注目を浴びました。
370万円もの金額を、どうしてまったく関係ない人物の口座へ送ることができたのでしょうか。実は、犯人は過去に被害にあった銀行に勤務していたことがあり、その際に顧客の個人情報(銀行口座の番号や生年月日など)を入手していたのです。
生年月日を暗証番号にしている顧客を探りあて、4ヶ月にもわたって送金をしていたとのことでした。前もってメンテナンスが少ない口座を選び犯行に及んでいましたので、4ヶ月も不正送金を続けることができたようです。
また、銀行に成りすました偽造メールで顧客の口座番号やID、パスワードを聞き出し、お金が騙し取られるという事件も起きています。顔を見てやり取りができないインターネット銀行サービスの弱点をついた狡猾な犯罪です。
インターネットバンクには、原則として「トラブルが起きた際の消費者救済制度がしっかりしていない」というデメリットがあります。同じように金融取引のリスクをかかえているクレジットカード業界と比べても、まだまだ保障面が未成熟と言えるでしょう。
クレジットカードが悪用された事件が起きたら、ほとんどの場合は被害額を負担するのはカード会社となります。しかし、インターネット銀行サービスに関しては、最終責任を取る所在がはっきりしていないのです。
各行によって補償の範囲もばらばらで、改善の余地がありそうです。
普通銀行のインターネットバンキングは、画期的なコストダウンに成功したATMよりももっとローコストを実現する夢のツールです。ですので、安全性の充実よりもサービスの施行が先立ってしまうのかもしれません。国や銀行側が安全性を高めるために努力するのはもちろんですが、利用する私たちも強い危機意識を持つ必要があるのです。
スポンサード リンク